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だれでも使えるマーケティングファネルの考え方

誰でも使えるマーケティングファネル

マーケティングの「ファネル」という物をご存知でしょうか。
集客戦略を考える時に使う、基本の概念です。

ファネルはwebサービスやアプリケーションではありませんが、マーケティング施策を展開する上で必要不可欠と言えるマーケティングツールです。

これを知っておくとwebサイトでも実店舗でも、来訪者(来店者)を増やすべきなのか、コンバージョン率(購入率や申込み率)を増やすべきなのか、優先して取り組む課題が見つけやすくなります。

今回はなるべく簡単な例えで、ファネルについて説明します。

消費者が購入するまでの流れを表すファネル

ファネル(funnel)とは英語で「漏斗(ろうと)」のことを指します。
口の細い瓶などに液体や粉末を入れるために使う、砂時計の上半分の形をしたあれです。

このファネルを上から順にエリア分けして使います。
そして各段階のエリアの中に、消費者(ユーザー)が入ります。

ファネルとは漏斗のこと

図をご覧いただくとわかるとおり、ファネルの上の部分には大勢の人が入り、下に行くほど人数が減っていきます。

液体を流す漏斗と同じように、上から下に「購入の意思決定」をする人が流れていき、三角形の一番下の先端が、「コンバージョン」つまり購入やお申し込みになります。

ファネルを見るとやるべき事がわかる

ファネルの使い方は、どのエリアにどれだけの人がいるのかを考えることです。
まずは「商店街のパン屋さん」を例にファネルを考えてみましょう。

今回はファネルを4つに分けて、上から

  • 店の前を通ってパン屋の存在を知った人
  • パン屋さんに入店した人
  • トレーを手に取りパンを選んでいる人
  • 購入した人

とします。

ファネルのエリアの分け方は

  • 認知
  • 興味・関心
  • 比較・検討
  • 購入

がよく使われますが、必ずしもこの分け方にとらわれる必要はありません。
ビジネスにおける消費者心理の段階に応じて必要なステップを追加したり削除してOKです。

先程のパン屋さんの例で下記のようなファネル図になったとします。
このパン屋さんの売上を伸ばすためには、どのような施策を展開していくのがいいでしょうか?

「商店街を行き交う人々」の中でパン屋さんに入店しているのは0.2%。500人中1人です。
そして「入店した人々」の98%がパンを購入しています。

98%の購入率をさらに高めるのはなかなか大変です。
でも入店者を増やすことはまだまだできそうです。

これから何かするなら、店内を改善して購買率を上げるよりも、パン屋さんの存在を知ってもらい、入店率を上げる方が効率が良さそうですね。

 

商店街のパン屋さんに入店する人はパンを買うという明確な目的があるので、入店した人数に占める購入者の割合は大きくなる傾向があります。

別の例で言うと、観光地のお土産物屋さんなんかは、入店する人は多いのに買ってくれる人は少ないという逆の状況が発生しがちです。

お土産物屋さんの場合はファネル上部の「お店を知ってる人」や「入店者数」を増やすよりも、入店後の購入率を増やすために品揃えを見直したり、ディスプレイや商品説明のPOPを工夫するほうが売上が伸びやすいでしょう。

デジタルマーケティングでファネルを使ってみる

ファネルの基本を実店舗で説明しましたが、webサイトやSNS、web広告を使ったデジタルマーケティングでも考え方は全く同じです。

 

自動車整備工場のwebサイトで考えてみましょう。
コンバージョン(成約)は車検や修理の問い合わせ・申込みです。

例えば、「大阪の車検工場」をwebで探している人のうち、20%が検索エンジンや広告を経て自社のwebサイトにアクセスしているとします。

サイトにアクセスした人のうちサイトを3ページ以上見て回った人は60%

そして最終的に車検予約に進んだ人はアクセスした人のうち5%だったとします。

 

すると下記のようなファネルになります。

今から伸ばしていくべき数字はどこでしょうか?

 

アクセス数を増やしたいのであれば、コンテンツマーケティングなどSEO対策でキーワード上位を狙ったり、広告を配信するといいでしょう。

PV数を伸ばしたいならサイト内の動線設計やコンテンツ内容の見直し。

コンバージョン率を上げないなら「お問い合わせ・お申込み」へのボタンを押しやすくなるような工夫をしたり、ユーザーが足りない情報を追加して安心して申し込みに進めるようにするべきです。

キャンペーンやLPの改善も有効かもしれません。

 

webサイト改修やデジタルマーケティングの施策にはいろいろな手段がありますが、どの施策を行うとどのファネルに影響するのかを考えるのが大切です。

今回の自動車整備工場の例では、一度アクセスがコンバージョンするかどうかのシンプルな考え方にしましたが、実際のユーザーは車検が必要になる時期より前にCMや広告に触れて認知していたり、探す時もいろんなサイトを見て比較検討したりします。

ファネルにはコンバージョン後の続きもある

ここまで上から下に向かって数が減り狭まっていく形状のファネルを説明しましたが、現代のマーケティングファネルでは購入や申し込みのコンバージョンの後、さらにファネルが続くと言われています。

それはSNSや口コミサイト、ブログなどを利用した「拡散」です。
ネットとスマホが普及したことで、ユーザーは「これめっちゃいい!」と思った商品を、webを介して積極的に他人に伝えるようになりました。

一人の消費者(ユーザー)が買ったら終わり・・ではなく、購入者がTwitterやFacebookでつぶやきたくなるような、素敵なパッケージを作ったり、おもしろいオマケをつけたりして拡散を狙ってみてはどうでしょうか。

 

ファネルのどの部分が売上を上げるボトルネックになっているのかを考えると、効率的なマーケティング施策をとることができます。

これから集客戦略や販売戦略を考える際、ぜひこの「ファネル」を意識してみてください。