大同 (TATUNG) 様

言語と文化のちがいを解釈して
ブランドを翻訳する、
台湾調理家電の越境マーケティング

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    300%UP

    リブランディング後売上

炊飯器や電子レンジ、鍋などの役割を果たす台湾の調理家電「大同電鍋(だいどうでんなべ)」。一台で、炊く・煮る・蒸す・温める、と様々な調理が手軽にでき、台湾では一家に一台必ずあると言っても過言ではないほど、半世紀以上に渡り人々の生活を支える存在です。
本国では国民的ロングセラー製品である一方、日本ではどのように認知度を上げて売上につなげていくかが課題でした。

TAM台湾では、二カ国間のちがいを捉え、日本での大同電鍋の価値を考えたうえで本国とは異なるブランドの伝え方を考案。
リブランディング初年度は、日本国内の在庫を一掃するほどの売上を達成し、現在も日本のユーザーに寄り添ったコミュニケーションを継続しています。

「当たり前」のリブランディング

距離も近く、比較的文化が近いとされることもある台湾と日本ですが、大同電鍋認知度のギャップの背景には、生活文化や習慣、認識など、様々なちがいが潜んでいました。

大同電鍋をつくる大同様は、2018年に創業100周年を迎えた大手家電メーカーです。台湾政府主催「トップ100台湾ブランド」を受賞するなど、台湾では人々の日常生活の「当たり前」を支える存在です。そのため大同電鍋のプロモーションにおいても、歴史・伝統がシンプルに伝えられていましたが、日本では台湾に深い理解がある限られた層以外には響きづらい状態でした。
生活文化で着目したのは電子レンジの普及率が100%に近い日本に対して、台湾での普及率は50%以下であること。電子レンジや炊飯器の使用が一般的な日本では、台湾と同じ形で大同電鍋が「生活必需品」となるのは難しいと考えました。

二カ国間の差異を捉え今回は、台湾をあまりよく知らない人にも興味や好感を持ってもらえることを目指し、日本の調理習慣でも大同電鍋を使うことに価値を感じられるようにブランドを翻訳していきました。

日本のユーザーを考えた、
コンテンツデザインとプラットフォーム

ユーザーへのインタビューをもとに、大同電鍋が日本にもたらす価値を考え、日本でのコミュニケーションのキーワードは「ヘルシー」「日常」「親しみやすさ」としました。

水と材料のみを鍋に入れるシンプルな調理法は、ヘルシーな食事を簡単に作りたい日本の人々のニーズに対しての提案となることがヒアリングからわかってきました。大同電鍋のサイズについては購入時のハードルになりますが、カラーバリーションやレトロなビジュアルは日本のインテリアにも馴染みやすく、見せる収納として日常に彩りを添えられることから「 #大同電鍋のある生活」の見せ方を確立していきました。
そして伝え方によっては敷居が高く近寄りがたい印象ともなる歴史や伝統は、長い間愛されてきた親しみやすさが先行して伝わることを目指しました。

発信の場についても、多くの日本人が使い慣れているプラットフォームを選定。2020年10月からInstagramでの定期的な発信を開始し、購入の場として楽天・Amazonページを制作。日本でも簡単に購入ができるオープンな環境をつくりました。

食文化、旬の食材は国によって大きく異なるため、各プラットフォームに掲載するコンテンツはすべて企画・撮影から手がけています。日本の季節や食習慣、調理法から発想したレシピコンテンツや、本国では当たり前となっていて詳しく説明されていない細かな使い方や情報など、日本独自のコンテンツを広めています。

楽しみながら広めてもらう発信

大同電鍋を日本でより多くの人に知ってもらうためには、共感してもらえるユーザーと共に、発信に広がりを持たせる必要がありました。

Instagramでは、インフルエンサーコラボ投稿をブランド・投稿者・プラットフォームの3つの観点から制作。Instagramの共同投稿者設定も活用し、内容がブランドに寄りすぎないように、投稿者全員が自発的に発信したいと思える投稿づくりを継続しています。Reelでは、より広いユーザーに楽しんでもらうことを目指し、若年層に向けてよりポップなコンテンツを投稿しています。

Instagramの発信と同時に、YouTube上でもYouTuberとのコラボ動画を配信。台湾好きのみでなく料理好き層に対しての発信を意識したところ、愛用者がTwitterやnote記事で自主的に電鍋を紹介するなど、様々なプラットフォームでUGC(User Generated Contents)が自然増加。認知・購入にとどまらず、一緒にブランドを広めて応援してくれるユーザーの輪ができています。

ある国で「当たり前」の存在であっても、他の国では様々な角度から言語化やビジュアライズをして伝えることが求められる、異文化コミュニケーション。TAM台湾では、それぞれの言語・文化のネイティブがチームを組んで、大同様をはじめ、さまざまなクライアント様と共に台湾や日本の文化を再発見しています。

CREDIT

  • TEAM

    Project Manager王文君(Gina Wang)

    Director蔡昀儒(Alina Tsai)

    Assistant Director周昱齡(Yulin Chou)

タムくん

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